フレームドラム

4つのベーシックな奏法を学ぶ フレームドラム 大久保宙著・演 模範演奏CD付

4つのベーシックな奏法を学ぶ フレームドラム 大久保宙著・演 模範演奏CD付

大久保宙氏による日本ではじめてのフレームドラム教本


+++++++++++4/1ATN紹介文より追記


誰にでもすぐ楽しめるフレーム・ドラム
その基本から応用までを
わかりやすく説明した待望の書

近年、音楽療法などの普及で大きく取り上げられることが多くなったフレーム・ドラム。おなじみのタンバリンなどもそのひとつです。円形の枠に膜をはっただけのシンプルな外観からは想像もできない奥深い表現力が、これまで楽器や音楽になじみのなかった人にも好まれ、片手で持って演奏できるという手軽さもあって、今じわじわと人気が広まりつつあります。その基本的な奏法をわかりやすく解説した、初めての教本が登場しました。

フレーム・ドラムにはタール、ベンディール、バウロン、ドイラ、ガヴァールなど本当に数えることができないほど多くの種類がありますが、今回は楽器に関係なく以下4つのスタイルを中心に紹介しています。

本書で紹介する4つのスタイル

オリエンタル・グリップ(ワン・ハンド/レフト・ハンド・ヘルドポジション)
片手で楽器を持って叩く奏法
オリエンタル・グリップ(ツー・ハンド/ボース・ハンド・ヘルドポジション)
両手で楽器を持って叩く奏法
オリエンタル・グリップ(ダラブッカ奏法/シティング・ポジション)
膝に楽器を置いて叩く奏法
フリー・ハンド・スタイル
両手で叩く奏法

以上のスタイルを数多くの写真を使って叩く手の位置、持ち方を解説します。付属CDでは、実際の音を聴くことができます。また、最近では音楽療法の現場やドラムサークルなどでも使用されることから、トラディショナル・スタイルの奏法にはない、バチを使った演奏法なども紹介しています。

打楽器奏者としての基本リズムのレッスンに始まり、フレーム・ドラム奏者ならば必ずマスターしておきたいアラビアン・ダンス・リズムの基礎とその応用、さらにそれ以外にも世界中にあふれているさまざまなリズムをフレーム・ドラムで表現するテクニックなどがわかりやすく解説されています。


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はじめにより

フレーム・ドラムとは片面にヘッドがあるドラムのことで、英語ではFram Drumと呼ばれますが、数多くの種類と名称をもっています。フレーム・ドラムは、円形の木枠に動物の皮(牛、ヤギ、魚、トカゲ、鹿、クジラ、ヘビ)からできているヘッドをもつ胴と皮だけのシンプルな楽器です。これらは世界各地でさまざまに進化し、鈴や鉄の小さな輪、ジングルがついたタンバリンなどに発展しました。現在では、動物の皮の代わりにプラスティック・ヘッドを使用した楽器もあります。

私が主に使用しているフレーム・ドラムは、中央アジアのガヴァール、北アフリカのタール、モロッコのベンディール、アイルランドのボウラン、中央アジアのダフ、南インドのカンジーラ、エジプトのリック、イタリアのタンブレロなどですが、それ以外にも本当に数多くあります。それぞれの楽器には伝統や歴史など深く関わってきますが、本書ではグリップと奏法を中心に近代的なフレーム・ドラミングを解説します。

この教則本では、基本的な4種類のフレーム・ドラムの奏法を学ぶことができます。本書フレーム・ドラムには、さまざまな国の伝統的な奏法と、私が今まで学習してきた奏法、そして独自の発想による奏法の3つの奏法を組み合わせています。本書に収められた4種類の奏法とさまざまなテクニックの中で、2ハンド・ポジション、シティング・ポジション(ニー・ポジション)は、私がHartt Schoolの大学院時代にGlen Velezとの定期的なプライベート・レッスンで学んだものが多くあります。1ハンド・ポジションは、フレーム・ドラムの初心者やドラムサークル、音楽療法の現場で誰もが容易に叩けるように、1本の手(利き手のみ)で演奏できるようにしてあります。

また、フィンガリングなどの表記は、インドのフィンガリング・テクニックを使用しフリーハンド・スタイルを作り上げたJohn Bergamoに強く影響を受けたものです。アメリカ留学時代には、これ以外にも多くのワークショップに参加して、さまざまなハンド・パーカッションを学習してきた経験や、日本をはじめ世界各地における演奏活動をとおして修得した近代的なフレーム・ドラムのスタイルを、できるかぎり紹介してあります。

お願い:本書の解説文は利き手を右手として書かれています。左手が利き手の方は、使用する手を読み換えて演奏してください。

大久保 宙